—–節子、それ山やなくて川や。
実は以前から決めていた事であるが、2023年1月1日から、山籠もりと称してSNSの閲覧や発言を休止している。
息抜き程度にゲーム等はやるものの、プレイ時間はかなり減ったし、日に日にその時間も短くなっている。
自分の行動から相場以外の選択肢を減らす事で、暇さえあれば自然と相場の事を考えるようになり、集中できる時間が格段に増えた。
ー2023年3月8日(水)追記ー
この2ヶ月間で、全取引履歴の記録・振り返りや、”自分の欠点を突き止める”という、どれだけ時間がかかるかも分からなかった課題についても大方答えを見つけ出す事ができた。
当初の予定では少なくとも半年は元の生活には戻れないと考えていたが、予想していたよりもずっと順調に事が進んだ。
もう以前のような意識には戻らないような感覚があるので、3月をもって山を下りる事とする。
もしもこの判断が間違いで、再び大きなドローダウンを被った際には告知なしにツイートを止めるので、死んだか山に戻ったと思って欲しい。
ー以下本文ー
~株を続ける理由など~
→別記事にしました(2023年4月9日)
~今までの成績・問題点~
ところで、相場を始めた2018年から2022年の成績は、平凡という他ない。
平凡と言っても、9割の人間が1年以内に大損をして退場すると言われている相場の世界において、トータルがプラマイ0でもかなり上位の部類である。
日記のカテゴリで1年毎にまとめ記事を書いているためそちらを見てもらえたらと思うが、自分はプラスの年やマイナスの年を交互に繰り返しながらも、トータルでは金額にして約270万円の損をしている状態である。
退場はしていないものの、そういった大きなマイナスという意味で平凡なのだ。
↓以下パフォーマンスまとめ↓
2018年:+7%
2019年:-48%
2020年:+19%
2021年:-45%
2022年:-15%
2018年は、知識経験ゼロからのスタートであったが、現物買いのみを行い初心者としては着実に好成績を残す事ができた。
2019年は、昨年の成功があって自信過剰になり、信用取引を多用して失敗した。
2020年は、昨年の失敗の反省を踏まえて最高の年だった。本業から定期的に入金していた事もあり、金額ベースでは授業料の大半を取り戻す事ができた。これを続ければトレーダー生活は安泰だと思ったが、%ベースでは依然大きなマイナスが残ったままである。
2021年は2019年のような失敗を再び犯した。昨年に授業料を取り戻す事ができたため、過去の失敗を克服したと勘違いしたのだろう。実力は何も変わっていなかった。
2022年1月からは、常に利益よりも貴重な資産を守る事を優先し、プラマイ0でも万々歳!という強い信念を得る事ができた。
そして2022年、-15%というのは過去の大損と比べれば痛手ではないと思ってしまう自分がいるが、2年連続でマイナスというのは初めての事だったし、抱負であるプラマイ0も達成する事ができなかった。
株を始めて丸5年、20代も折り返し地点に入り、後4年経てば30歳である。
人生は長いので30代もまだまだ若いとは思うが、節目であるとも思う。
5年かけても安定してプラマイ0を維持する事すらできないというのは、これからの5年を考えると多少の危機感を憶えるには十分だった。
この5年間のやり方を同じように続けていても、恐らく同じ事の繰り返しである。
一体何が足りないのだろうと考えた。
沢山の事を考えたが、一言にすれば”手法が安定しない事”が大きな問題だった。
1年目の頃から、資金管理とメンタル面に関しては何よりも気をつけていた。自分では気を付けているつもりでも行動が伴っていない等の問題も、2019年と2021年の失敗から分かっていた。
その面はだいぶ成長したと思う。今の自分は、手法がボトルネックになっていた。
どれだけ資金管理やメンタル面がしっかりしていても、使っている手法がランダムに近いものやマイナスの期待値であれば元も子も無い。
書籍などで得た情報から、手法はあまり大事ではないと信じ続けてきたからこそ、何よりも手法が上達していなかったのだ。
手法については以下の記事で既に書いているが、
書いてある内容は、今読んでも正しいしその通りだと思う。
しかしこれを書いている当時は、今思えば完全には理解していなかった。
当然の知識として頭に入ってはいるものの、実感として知恵を身につけていなかったのである。
どんな方法でも成功している人がいる以上、どんな方法でも良いのではないか。
それはその通りなのだが、どんな方法でも良いと考えれば考える程、手法の迷宮に迷い込んでしまう。
スキャ・デイ・スイング・ポジショントレード・長期投資など色々ある中で、スイングトレードが自分に合っている事はすぐに分かった。
ファンダメンタルズ分析ができない人間だという事も自分で理解していたので、チャートのみでトレードする事もすぐに決まった。順張りを守るという事も決めた。
なにが手法の罠だ!手法決めるなんて簡単じゃん!と1年目の頃から余裕ぶっこいていた訳だが、問題はその先だった。
手法は決まっていると長年思い込んでいた訳だが、実際は手法ではなくスタイルが決まっただけだったのだ。
なぜ、そこから先の詳細な手法を決める事ができないのだろう。また更に考え続けた。
手法に曖昧な部分があるからこそ、そこで感情に振り回され、損している筈なのだ。
不完全だとしてもとりあえず簡単なシステムを作り、それに100%従ってみようとも考えた事があるが、自分と向き合うほど、システムトレードをする事はできない人間だという確信が生まれるだけだった。
しかし、裁量トレードとシステムトレードは紙一重だともよく思う。
成功している裁量トレーダーは、システムトレーダー並の規律を持っているから成功しているのだろうし、
成功しているシステムトレーダーは、相場環境に合わせてシステムを調整する柔軟な裁量も持っているのだ。
自分はと言えば、システムを作ったとしても、そのシステムを完全に信じる事ができない。
裁量でやるにしても、手法に規律と一貫性を持つ事ができない。
これはもう詰んでいるのでは?
ん・・・・・・・???????
そもそも、これが答えだった。既に原因は分かっているのだ。
詰んでいるとか言っている場合ではなく、詰んでいる原因が既に分かっているのだから、それを克服するしか無いのだ。
考えているようで、ただ思考停止しているだけだった。
結局は”手法に対する信念が弱い”という事だ。自分のやり方を心から信じる事ができていないのである。
そのため、大きなスタイルは変わらずとも、細かい部分でのアプローチはコロコロと変わり、パフォーマンスも安定しない。
今度は思考停止せず、本当に考えた。
自分の一番信じられる概念、それこそトレードが安定するような考え方・相場観は何だろうか?
この結論を出すには、かなり時間がかかった。
そんな折、アリ・キエフ氏かバン・K・タープ氏か忘れてしまったが、以前読んだ書籍に「システム(手法)を作る前に、自分が何を信じているかを明らかにする事の方が何倍も重要で、一番時間を使うべきはそこである」というような事が書かれていたのを思い出した。
あれはこの事を言っていたのか、と合点がいった。
これを諦めたら終わりだと思い、引き続き毎日トレードをしながら考えていく中で、ふと閃いた瞬間があった。
「安定して勝てる方法は分からなくても、安定して負けている自分がいるという事は変えようのない事実なのだから、負けている時期の手法だけは逆に唯一信頼できるのではないか?」
ある特定の手法を信じ続ける事のできる人はそれを磨いていけば良い結果が出ると思うが、自分は特定の手法を信じ続けるという事ができなかった。
過去に「これだ!」と思った手法はいくつもあるが、潜在意識では半信半疑なため全て失敗に終わった。
だが、負けている時期に自分が使っていた手法は信じる事ができる。
これは盲点だった。いつまで経っても手法が安定しない訳である。
気が付けば、勝ち続けられる手法を見つけるという概念は無くなり、過去の取引を改善するというプロセスに集中するようになっていた。
勝ち続けられる手法を見つける事と、過去を反省し改善を続ける事は、結局のところ同じような意味である。
だが、考え方一つでここまで変わるという事に驚いた。
この事に気付いてからは、ひどく負け続けた自分の存在に心から感謝した。
もしもこの5年間勝っても負けてもいないプラマイ0の成績だったら、そこから改善点を見つける事は可能なのだろうか?
多分、ランダムウォーク理論を信じるようになり相場人生に絶望していたと思う。
負けていたからこそ、少しは希望が見えてきた。閃いてからの行動は早かった。
~山籠もり開始~
心から信じる事ができるもの(自分が負けている時期のトレード)を見つけてからというもの、これからやるべき事が驚くほどトントン拍子で決まっていった。
今まで悩んでいた事や答えの出なかった事が、脳の中に混沌と存在していたような状態から、絶対に信じられるものが1つ決まったというだけで、まるで完成間近のパズルのように次々と答えのピースがハマっていったような感覚だった。
2023年1月。
まず初めにやった事は、改めて自分の取引履歴を研究するというものだった。
今まで毎年やっていた事ではあるのだが、それを記録として残していなかったし、価値観が変わり過去の取引をより信じる事ができるようになった今、また1から全ての取引履歴を振り返ろうと思った。
現時点でトータル売買回数は2158回なので、2で割ると1079トレード。
この量のトレードを研究するには、明らかに時間が必要だった。
チャート上に矢印をプロットする作業だけでも大変な量になる。
今までは相場に時間を注いでいるつもりでも、どこか真剣ではなかった。
自分で思っているよりも、実際はずっと堕落している。
もっと時間を作ろうと思えば、いくらでもその余地はあるのだ。
そこで、山籠もりをする事にした。
効果は抜群だった。この記事の最初でも書いたが、相場以外の選択肢を減らす事によって、暇さえあれば相場の事を考えるようになった。
ゲームを起動したりSNSを見る代わりに、取引ツールを起動してチャートを見るようになった。
相場に取り組む時間が増えるという事に加え、SNSを見ない事により他人の思考に無意識に影響される事も無くなった。
手法に関する書籍にも魅力を感じなくなり、読む事が無くなった。
書籍で学べる手法は、著者が長い相場人生の中で試行錯誤してきた結果のもので、自分程度の人間が現時点で思い付ける限りのものよりはずっと優れていると思うが、それは著者の手法であって自分のものではない。
勿論SNSをやっている時は、自分は他人の考えには影響されないと思っているし、手法に関する書籍を読んでいても、手法は絶対ではないとしっかり理解しているつもりである。
しかし、これは実感して初めて分かるものだった。
山籠もりを開始して初めて、やっぱり無意識下で周りに影響されていたんだなと感じる事ができるようになった。
証券会社が提供している取引ツールはとても便利で、日課まとめ記事の4項に書いているやり方で、過去の取引を全てチャート上にプロットしていった。
後にこの作業をすると過去の自分は予想していたのだろうか。今はあまり覚えていないが、初めに監視銘柄を限定するという考えに至ったのは後で振り返りがしやすいからとか、そんな理由もあったと思う。
殆どの取引がTOPIX Core30銘柄だったので、開くウインドウも最大30で済んだ。
Core30銘柄以外はチャートを保存していないが、取引は少なかったし反省点は似たようなものだったので大体覚えている。
もしかして、Core30銘柄をトレードしているから成績が悪いのでは?と考えた事もあったが、そうではなかった。
指数構成銘柄も、その他の銘柄も、しっかりと銘柄に関係なく負けているし、勝っている時期は銘柄に関係なく勝っているのである。
そして、現在は全ての取引をチャート上にプロットするという作業が終わり、色々な事が分かってきた。
これについては次回の記事で書いていこうと思う。
ー2023年2月25日(土)ー