~近況~
2018年1月に国内株式市場へ足を踏み入れてから6年4ヶ月が経過した。(この歴がそのまま自分の相場歴になる)
時間が経つのは早いものであるが、相場では沢山の事を学んだし、人間的にも大きく成長する事ができた。良い意味で6年の重みは感じている。
初めは数日~数週間のスイングをやっていたが、過去の取引を反省・改善していく内にポジションの保有期間が半年以上に伸びてきて、今では中長期トレーダーと言えるような状態になっている。
投資家ではなくトレーダーと書くのは、ここまで保有期間が伸びてもなお自分がチャートしか見ない・見られないからである。
TOPIX Core30構成銘柄+20~30程の個別銘柄(定期的にチャート検索して良さげな銘柄を入れ替える)という監視銘柄の構成は昔から変わっていない。
2年目からは信用全開で、案の定大きな失敗は経験したが、現在は安定してじわじわ利益を出す事ができている(と思う)。だが、これからどうなるかは全く分からないという事は毎日思い続けている。
少し前までは現物の取引をする事で信用枠が大きく上下するのが嫌だったので、買いの場合でも常に信用枠のみを使っていたのだが、ここ数ヶ月は保有期間が伸びた事により制度信用の半年制限が枷になってきたと感じたため、長期で増玉前提の買いをする場合は余力の許す限り現金枠を使うようになった。
そしてこれが思わぬメリットに繋がった。今まで自分はポジションの保有期間を決めるのが苦手で、押し・戻りを乗り越えてポジションを保有すべきか悩んだり、結局どう手仕舞いしても後悔するという事が多かったのだが、長期は現金枠、短期は信用枠という基準ができた事によりそれが綺麗になくなった。今では半年制限が逆にありがたい。でもただ単に経験が増えて力がついてきたというだけの事かもしれない。
5月現在、年初来のパフォは+10.54%
果たしてこれは喜んで良いものなのか。指数以下のパフォなので、完全に地合いに引っ張られたお陰としか言えない気持ちの方が強い。
年の前半は好成績だったのに後半で利益が吹っ飛んだ経験もあるので油断はできない。
トレンドフォローをしているつもりなのに勝率が高くペイオフレシオが1を切っているというのは恐らく初めてで、年末恒例の全取引振り返りで何かが分かれば良いなと思う。半年後の自分がんばれ(丸投げ)。
今思ったが、勝率は地合いのお陰で、ペイオフレシオに関しては長期の利食いをまだしていないからこうなっているのかもしれない。
~先物・オプション口座を開設~
株の近況はこんなところで、先日ついに先物の世界に手を出してしまった。
2024年5月3日に先物・オプション取引口座の開設が完了し、取引した日で数えると約7日が経過した。
最初は会社に副業を知られないために特定口座の作れる株を選んだのだが、そもそもトレードは副業にならないという事を今更耳にし、最近会社で仮想通貨の話題もよく上がるようになって、え~そんな感じなら全然いいじゃ~ん今まで何を気にしてたんだ~という事で、ずっと興味のあった先物を始める事にした。まあそもそも利益を出さないと会社にバレる事は無いのだが。
株の知識を得る前はデイトレードをする気満々だった(兼業ではそれが不可能な事を知りスイングから始めた)ので、ようやく本当に自分のやりたかった事ができるようになったと言える。
先物の世界に足を踏み入れてからというもの、夕方にトレードを開始して気付けば深夜になっていたという日がずっと続いており、考えた事も沢山あった。
本当に初歩的な事や、既にデイトレーダーの人からすれば当然だと思う事ばかりだとは思うが、自分の成長の記録を残すためにこの1週間で考えた事・学んだ事・感じた事等を可能な限り残さず書いておこうと思う。長くなりそうな気がするが、あくまでデイトレード未経験人間の記録という認識で受け取ってもらいたい。
~先物入門後7日間で考えた事~
最初に思ったのが、「何もわかんねえ!」である。
まずデイトレードは素早く発注できる環境が必要だと考えて、自分が普段チャートを見るためだけに使っているマネックストレーダーの先物スピード注文画面を開いてみたが、画面が全然分からない。どうやら板をダブルクリックで発注できるらしい。間違えたら怖い。ここから注文できたとして、追加で開いた建玉一覧画面もこれで合っているのか分からない。先物はかけられるレバレッジが凄いらしいので、建玉表示画面が間違っていたとしたらポジを解消できずに誤爆死するかもしれないので怖い。どれだけレバレッジがかけられるのか、1枚注文してどれだけの時間でどれだけ損したり得するのか、そのあたりの感覚も全く想像できない。
日経先物をやるという事は事前に決めていたが、調べていく内に日経先物の中にも3種類ある事を知った。一番ロットを小さくトレードできる日経225マイクロというものを見つけた。
日経225マイクロのチャートを見てみると、チャートが異様に薄い。そこで、無意識にテキトーに選んでいた限月を期近にしてみると普通っぽいチャートになった。先物市場は期近に人が集まるようだ。
そしてトレード開始。1日目は数十分ほど(酷い残業帰りだったので体力の限界だった)最小ロットでトレードしてみたところ、上記の初歩的な画面の見方・操作方法等や感覚的な不安はほぼ解消した。いざ使ってみたらとても分かり易くシンプルなツールだった。
デイトレは、中長期で株をやっていて感じる事を早送りで体験しているような感覚だった。すぐに結果が出るので、思考や集中力をキープしたまま試行錯誤ができる。最初はずっとチャートを眺めて注文できる時を待つのは苦痛だろうなと予想したが、実際やってみると最終的には苦も無く何時間も画面を見てトレードしていた。勿論疲れはするが、FPSゲームを練習していた時と全く同じ気持ちで、楽しく疲れられる事が分かった。
証拠金を5万円入れてほぼ±0で終わったが、そこに至るまでのボラが2、3万円と、証拠金に対して大きすぎるなと感じた。でもまあそんなもんかと思っておく事にした。ここで、証拠金に対し何%の損益という考え方をするのはおかしい事に気が付いた。なので総資産に対しての%や絶対額で考えていく事にした。
翌日は、相場が開いていなかった。ここで先物市場も土日休みだという事を知った。自由時間は先物漬けにしよう程度に思っていたのであまり深く考えていなかった。いつぞやに制度(?)が変わって祝日は大体開くようになったらしい。
慣れて恐怖が無くなってきたため、2日目からは証拠金を50~80万円に増やした。2日目:トータル+1200円。3日目:トータル-6500円、4日目:トータル+400円、5日目:トータル+25000円、6日目:トータル+85000円、7日目:トータル-115000円
7 日 目 に 何 が あ っ た
最初は延々と仕掛け時を待ち、仕掛けられる時が来てもビクビクしながら最小ロットの試し玉を建て、思惑通りに動けば増玉をしたりとかなり慎重に取引していた。そのお陰かは経験が浅いため分からないが、確かに少しずつ利益は出ていた。このあたりは今まで株で学んだリスク管理や手法をそのまま分足で流用していただけなので、この記事で特別書ける事はない。ただ、今まで学んだやり方が通用している事には安心した。
そして問題の7日目。たった数日でこれ程の利益が出るのなら、もっとトレード機会を増やそうという考えが加速してしまう。株では1年で30%も利益が出れば十分すぎる程なのに、先物になった途端にそれを忘れて強欲へと走ってしまう。
より短期へ短期へと思考が持っていかれ、取引の回数が激増していった。自分の買い・売りの予想が入れ替わる瞬間にドテンしまくるやり方を経験しておきたいという考えもあったのだが、損小利大を目指さずに方向性の予想をしている時点で間違いだと思うし、最終的には値動き全てを捉えようというような感覚・思考に陥り、スキャルパーの真似事(真似すらできていない)のような事をやるようになっていた。損益0で手仕舞いし続けているつもりの取引でも、スリッページと手数料でみるみる内にマイナスが増えていった。1ティック毎に数千円動くようなロットなので当然だし、その小さな動きで大きく感情が動かされるようになっていた。短期すぎて増玉ができないため、試し玉を建てる事なく一度に限度一杯のポジションを作るようになっていた。
そもそもこうして取引の仕方が普段と全く違っている時点で、エッジが無くなり損するのは必至である。こうして後で振り返ってみると過ちを犯しているのは明らかで、今まで嫌という程学んでいる筈の事なのだが、トレード中は値動きに夢中でそれに気付く事ができない。分足のデイトレという環境になるだけでここまで感情が動かされてしまうという事に驚いた。
小さな値動きに翻弄される中で、ローソク足1本1本の形を気にしたところで短期トレードではアテにならない事が分かった。リアルタイムで動いている最新足の形となれば尚更である。日足の形はシグナルの信頼性を高める1条件にはそこそこなると感じているが、分足でローソク足の形を気にしたところで殆ど意味がないと自分は感じた。
しかし、1日の経験でこれらの失敗を自覚できたのは良かった。デイトレードは本当に時間の流れが速い。
この6日目は、これでもかと言うほど往復ビンタを食らっており、何をどうやっても負ける状態だった。本当に盛っていないのだが、数十トレードした中で、勝った数がたった1トレードだけだった。ここまで負けられるのは凄い。途中から負けすぎて面白くなってきて、というかヤケクソになってドテンしまくっていたのだが、それらも全て負けている。もう一度書くが、何をどうやっても負けていた。どんな魔法だ?と思った。
誤解して欲しくないのだが、このようなギャンブルトレーダーのような行動はもう絶対しなくなっていたと思っていたし、実際株は地合いのお陰ではあるが順調である。きっとこれが先物の魔力なのだろう。
そして、恐らくとても重要な事に気が付いた。
7日目終了時に真剣に考えてみたのだが、負けるにしてもここまで負け続けるのは流石におかしい。立場を逆にして考えてみて、数十トレードもして負けるのがたった1回だけ、しかも微損という事などあるのだろうか。まあ確率的には稀に起こり得るのだろうが、経験1週間未満の初心者に限ってこれは、何か原因がある可能性もあるのではないかと。
株では200日単純移動平均線の傾きに沿ったシンプルなトレンドフォロー手法を使い続けており、勝率は30~40%程。だからこそずっと忘れていたのだが、もっと勝率の高くなるやり方があった事を思い出した。それは、オシレーターを使用した短期の逆張りである。
ずっと前に読んだマーケットの魔術師で、なんとかワインスタイン氏(失礼)という人物がほぼ勝率100%の男として紹介されていたのを思い出した。これには著者のジャック・D・シュワッガー氏も半信半疑だったようだが、他の大投資家・トレーダーの証言もあるし、結局この超有名なベストセラー書籍に採用された人物という事は、きっと本物なのだろう。
そこで、有名なオシレーターであるRSIを先物の分足チャートに適用してみた。確かに値動きを正確に捉えており勝率は高そうだ。次に、7日目の自分の取引履歴をチャートに1つずつプロットしていった。すると、RSIが行き過ぎを示す方向へとても綺麗に順張りし続けているではないか。そして反対方向へ行き過ぎになった所でとても綺麗に損切りしている。衝撃だった。まあこれは偶然連続でそうなったにしても、平均的な勝率もそこそこ高いのではないかと考えられる。
確か「高勝率トレード学のススメ」という書籍に書かれていた気がするのだが、トレンドがある時にはオシレーターは常に行き過ぎを示すため、行き過ぎ方向へ順張りするというやり方は全然ある。ただ先物の分足では逆張りの成功率が高いので、やはり色々な所で言われているように、短期は感情でチャートが動いているのではないかと、身をもって実感した。実際に連敗中の自分も感情以外の理由で動いていなかったので、この説を信じる事ができる。以前やっていた株の日足スイングの時間軸も、感情で動くといえばそんな感じはするのだが、先物と比べたら全然トレンドが発生しているように見えた。
ここでRSIの逆張りトレードをして利益が出るようになれば最高なのだが、経験もサンプル数も少なすぎて信憑性が薄いのと、つい数日前にマネックス証券への登録住所の間違いが発覚し(最近現物取引を始めたので、恐らく優待か何かの郵便物が届かなかったようだ)新規取引が禁止されてしまっているため、結果が分かるのは少し後になりそうだ。
逆張りは勝率が高いが、勝率が全てではないし長期で見ればトレンドフォローでコツコツドカンが無難だという話もよく聞くので、この方法がうまくいくかも分からない。ただ可能性はありそうなので、しばらくはRSIで試行錯誤してみようと思っている。先物は最初からずっとトレンドフォロー手法を使っていたが、前半が順調なのは偶然だったのだろうか。短期の場合に順張りと逆張りのどちらにエッジがあるかは経験を積む内に分かっていくのだろう。
トレンドのある時はトレンドフォローし、無秩序な相場の時はオシレーターに従う、というやり方もできる。トレンド判断にはADXを使いたいのだが、マネックストレーダーには無いみたいなのでどうしたものか。移動平均線の傾きの大きさを条件にしても良い気がする。
ここまでずっと”RSIの逆張り”と書いてきたが、正確にはRSIが一度超えた行き過ぎラインから戻ってきた時に仕掛けるので、より短期の順張りと考える事もできる。なので、単に捉えるトレンドの時間軸が違っていただけ、自分が無意識に中期のトレンドを捉えるつもりで短期の相場に手を出してしまっていただけ、相場と手法が噛み合っていなかっただけという結論がしっくりくると感じてきた。
普段中長期でやっている株にもRSIをシグナルとして追加できるのではなかろうか。テクニカルはしばらく移動平均(と出来高)のみを使っておりレンジに対応した指標を持っていなかった。これにRSIを追加して、トレンド・レンジのどちらにも対応できるようにすれば良いのではないだろうか。手法は極力シンプルにしたいため、3つ以上に指標を増やすつもりは今のところ無い。
~おわりに~
長くなってしまったが、先物トレード1週間経過時点での感想はこんなところである。
まだまだ不安だらけで勝てるかどうかは全く分からないし、直近で負けまくっているため精神的にもどうにかキツさに耐えている状態である。
そして実は、この記事を書き始めたのは、大損した7日目の開始時点だった。
先物を始めてたった数日で十数万のプラスになり、ルンルンしながら記事を書き始め、調子に乗って書きながらトレードしていたら大損した、という完璧な流れである。相場は調子に乗った人間を容赦なく洗礼してくれる。
先物はプロが多い市場だという話もチラホラ耳にする。そういえば大トレーダーのcis氏が先物について呟いているのもよく見かける。先物は魔境である。
しかし、損してキツい事にはキツいのだが、必死で負ける原因を考えて取引を改善していくのはとても楽しい。
それと、兼業で夜間のみのデイトレードだとしても、何時間でも画面を見てトレードできるという事が分かった。
短期の先物は本当にゲームのようで、自分が元々ゲーム廃人という事もあり、その点で考えたら適性はあると思いたい。
夜間は出来高も値動きも少なくなるためデイトレードに向いているのだろうか。それも大きな懸念点であるが、その夜間に負け続けたという経験があるからこそ、逆に勝てる可能性もあると考える事ができる(無理矢理)。
兼業デイトレーダーと聞くとヤバイ印象しか受けないが、これからも諦めずに頑張っていこう。
(あれ・・・?プログラミング勉強する時間なくね・・・?)
ー2024年5月15日(水)ー